2017年度 第118回月例研究会
第118回月例研究会
日時:2017年10月7日(土) 14:00~17:00
場所:渋谷区笹塚区民会館4階和室
【会場案内】
渋谷区笹塚区民会館
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9
・区民会館は催し物に関する質問にはお答えできませんので、会場への電話問い合わせはご遠慮ください。
・会場は駐車場がありませんので、自動車での来場はご遠慮ください。
案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sasazuka.html
タイトル:福島からの避難とチェルノブイリ法の避難の権利に学ぶ避難計画
─ 原発事故、避難の教訓、チェルノブイリ法と統合的な避難計画 ─
報告概要:
〇震災・原発災害後の社会問題
東日本大震災による原発災害後の社会には、新潟県の柏崎刈羽原発についての原発再稼働問題、全国の原発や使用済み燃料処理工場などの原子力システムに共通する避難計画の破綻問題、全国の自主避難者への住宅支援打ち切り問題・自主避難者切りすて/避難の事実の抹消問題、避難時の緊急基準の20mSV/年未満の地域の避難指示解除と「帰還」復興政策の「棄民」政策化の問題、などなど多くの未解決問題や課題がある。
以下では、諸問題を確認して諸課題を把握し、その検討から「総合的な避難計画」の構成の方向を把握する。そうした「総合的な避難計画」に基づき、復興政策の全面的方向転換が必要である。
〇原発再稼働問題
原発再稼働の条件として、また原子力システムのリスク対応としても、避難計画が必要不可欠である。
現行の避難計画は、複合災害を想定していないなど、現在の原子力システムのリスクに対応しているとは言えない。
実効性のある避難計画を策定するためには、官製避難計画の破綻を検証し、福島からの避難の経験を教訓とし、住民、自治体、および、事業者間の信頼関係を構築しての、実効的な事前と短期の避難計画の策定が必要である。
新潟県の対応を検討のケースとして、再稼働問題を把握する。
〇住宅支援打ち切り:自主避難者切り捨て問題
福島県は2017年3月末に「みなし仮設」の借り上げ住宅の無償提供を、実質的に打ち切った。しかし、これは、多くの自主避難者から避難の生活の「命綱である住宅を取り上げる」「棄民政策」、自主避難者切り捨てである(日野行介、2016年)。
今後、避難者、特に自主避難者の生存権を保障する仕組みを作るよう政策転換をし、それを含む中期避難計画を確定する必要がある。
〇20mSV/年未満の高線量地域の避難指示解除と復興・帰還促進政策の問題
政府・復興庁は被災地復興のため、原子力災害緊急事態宣言下で避難時の緊急生活基準にあたる20mSV/年未満の被曝線量を基準とし、2013年以降それ以下の線量の福島県内地域の避難指示を解除し、福島県や原発周辺自治体と共に「帰還促進政策」を行ってきた。
こうした危険な高線量地域への「棄民的」復興「帰還」政策は、チェルノブイリ法制度から学ぶ長期避難計画に基づき転換されなければならない。
〇政策転換の方向性
このような、原発再稼働政策、自主避難者切り捨て、チェルノブイリの避難地域にあたる、土壌のベクレル値の高い高線量地への「棄民的」復興「帰還」政策は、市民の意見を尊重して民主的に、福島の被災者の生活の権利を保障し社会の持続可能性を実現する再建政策に転換されなければならない。そうした再建策は、原子力システムのリスクに対応する避難計画である、事前と短期、中期、長期の避難計画を整合的に統合した社会的避難計画を基準とするものである。
◎震災・原発災害後の社会問題
東日本大震災による原発災害後の社会には、原発再稼働問題・避難計画の破綻問題・自主避難者への住宅支援打ち切り問題・避難時の緊急基準の20mSV/年未満の地域の避難指示解除と「棄民的」「帰還」復興政策など多くの未解決問題や課題がある。
諸課題の検討から構成される長期的総合的な避難計画に基づき、復興政策の全面的方向転換が必要である。
そうしたまっとうな避難計画は、原発、使用済み核燃料処理システムなどの原子力システムの存在から整備せざるを得ないものなのである。
日本には現在、使用済み核燃料が1.6万トンあり、地震で破壊され・損傷した原子炉が10基以上もあり、プルトニウムの民間保有のために、破綻して循環しない形式的核燃料サイクルがあり、恒常的に原子力リスクにさられている状態である。こうした原子力システムの廃棄とそこからの離脱に向けて、まず対応すべきことは、現状の原子力・被曝リスクに対する、事前の・短期・中期・長期の一貫した避難計画体制の検討と整備である。
中期的には現在避難されている方の命と生活を守る制度を構築し、長期避難の制度として、<年間追加被ばくを1mSV/y以内に制限する>という理念のチェルノブイリ法体制に学び、現在のそして将来の避難者の避難・移住・帰還の権利を保障する法律と制度・体制の構築が必要である。
3.11東日本大震災がもたらした福島第1原発事故災害により、膨大な被害状況・被災者が出て、広大な地域が放射性物質に汚染され、多数の避難者がでている。
再建に数百兆円を要するとされる、大災害である。政府による、巨額の復興費用の追加税制による強制的税収と、無駄な事業へのばら撒き、強制的帰還誘導・棄民政策を見て、次のように考えざるをえない。
・日本で原発事故被害者・避難者を根本的に救える方法はどういうものか?
・有効な避難計画はどのようなもので、その位置づけはどういうものか?
・日本ではなぜ、原因の原発再稼働の動きを止められないのか?
・日本で原子力システムを廃棄し、自立分散の再生エネルギーシステムによる持続可能なオルタナティブな社会に移行するにはどうしたらよいか?
これらの問題を、実際の問題や避難計画の破綻、不十分性や実効性のなさの検証から検討してゆく。
報告者:佐藤公俊(長岡高専)
会場費:なし
13:10より編集委員会・理事会があります。
(参加者は事前に昼食を済ませておいてください。)