2019年度 第123回月例研究会
第123回月例研究会
日時:2019年9月14日(土) 14:00~17:00
場所:渋谷区笹塚区民会館4階和室
【会場案内】
渋谷区笹塚区民会館
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9
・区民会館は催し物に関する質問にはお答えできませんので、会場への電話問い合わせはご遠慮ください。
・会場は駐車場がありませんので、自動車での来場はご遠慮ください。
案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/chiiki/kumin_kaikan/km_sasazuka.html
タイトル:抹殺される福島原発事故
報告概要:
避難生活が9年目に
復興五輪と言うけれど、福島県民としてはしっくりこない。騙されているように思えてならないからだ。
なぜなら、年間20MSvを下回れば避難指示解除、住宅支援打切り、除染土の県外採取処分、除染土の再利用、モニタリングポスト撤去、サンチャイルド撤去、オリンピック招致、聖火の福島県出発地、など
多くの疑問があるからだ。
東日本大震災の影響で2019年3月20日現在避難者が約5万人いる。その中の4万2千人が福島県民なのである。発表された「子供の甲状腺がん」は218人、さらに「がんの疑いがある」方がいる。これも本当に正しい数値なのか疑わしいという。政府の判断に今の福島県民は疑心暗鬼になっている。政府は説明責任を果たすことが大事だろう。
【福島県民は怒っている】
平穏の生活が続いている所に突然の体験したことがない地震、そして津波が。殆どの報道機関は地震と津波被害状況のみの報道の中で、2011年3月12日の臨時ニュースで福島第1原発1号機の水素爆発映像が流れる。
長期避難生活の始まりだ。
誰もが9年目にもなる避難生活なろうとは思っていなかった。原発で発電した電気は何処で使われているのかさえ知らない人が多かったろう。事故後東京で使われていることが分かると、なぜ東京に原発をつくらないのかと。
こんな恐ろしいものを自分たちの福島に造ったのかと福島県民は怒っている。自分たちは一切東京電力の電気は使っていないからだ。新潟県の柏崎苅羽原発も同様に新潟県民も怒っている。
国策で進めた原子力発電、今回の原発事故で誰も責任を取っていないことに
も福島県民は怒っている。
「洗脳 はできるが脳の除染は出来ない」「福島県の自然は、汚染される側ではなく汚染源になったのです」
福島第1原発事故から9年目に、いまだに全国に約4万2千人(避難先不明20人)が避難中。帰還が進まないのはなぜか?一番の要因は放射線問題だと思う。国際基準(ICRP国際派う車線防護委員会)である年間被曝許容量1MSv/年があるからだ。
この基準は作る時の参考にしたのが、広島、長崎の被爆者のデータである。政府は事故後年間20MSv/年以下であれば学校のプール使用可能としたことが反発を招き1MSv/年に戻した。
避難指示解除基準も20MSv/年を下回れば解除されるこの20MSv/年は原発作業員の事故時の対応時年間50MSv但し5年で100MSvと言う基準がある5で割ると20MSv/年になる。この基準基準を一般の人に適用したことと、先ほどの一端基準見直しと避難指示解除基準を合わせて政府の対応に不信を招いていること
が、帰還が進まない要因である。
政府は東京オリンピック招致の時も福島第1原発事故はコントロールされていると言って招致したが現場では汚染水が駄々洩れ状態であった。
1.役所が指定した期日まで帰還しないと各種助成はしない
2.県内に3000基あるモニタリングポストも2400基撤去すると発表。反対が多く有り現在は継続測定に
3.住宅家賃補助があるため帰還が進まないから打切りにする
4.住宅支援打切り後、住宅明け渡ししないで住み続けると家賃2倍の請求が
5.帰還しない避難者は避難者数に数えない
平成の重大ニュースから福島事故が消える 東京五輪を控えて強まる忖度、そして原発広告の復活
もちろんその理由のひとつは安倍政権に対する忖度だろう。現在、安倍政権は、原発被災者への支援打ち切りと強引な帰還政策を推し進める一方で、まるで事故などなかったかのように、原発再稼働を推し進めている。また、東京五輪を来年に控えて、原発事故の影響などないことをアピールしようと必死になっ
ている。
さらに、もうひとつメディアが原発事故を取り上げない理由がある。それが電力会社によるメディアへの“原発広告”の復活だ。
事故以前、東京電力をはじめとする電力各社やその司令塔・電力事業連合会(電事連)は新聞、テレビ、週刊誌などのマスコミに広告を大量出稿することで、原発に批判的な論調を封じ込めてきた。しかし原発事故が起こされると、安全神話を作り出してきたマスコミ、そして広告に出演していた芸能人や学者たちにも批判が高まり、電力会社からの広告は一時なりをひそめたかに見えた。
ところが事故から3、4年が経った頃から、メディアでは“原発広告”が完全に復活。さらに、原発再稼働政策を推し進める安倍政権と歩調を合わせるように、電力業界は広告費を増やし、再びマスコミを“カネ”で漬け込んで“原発タブー”を作り出しているのだ。
昨年、文科省の放射線副読本が改定され、そこから「汚染」という文字が全部消えた。
川根眞也氏は次のように批判する。
文部科学省放射線副読本からも汚染の字が消える
文部科学省が2018年10月、小学生、中学生、高校生に放射線教育をおこなうための、放射線副読本を改訂しました。この内容は2011年版、2014年版よりも悪い内容なっています。2011年版は文部科学省が直接作らず、原子力文化振興財団に丸投げしたもの。2014年版は「原発村に丸投げするな!」の批判を浴び、文部科学省初等中等教育局教育課程課の職員がその反省の下に改訂したものです。川根も、「放射線教育を考える会」として、文部科学省の担当課と内容について交渉してきました。2014年版は不十分な内容ですが、いくつか改善点が見られます。しかし、2018年10月版はその良い点をすべてかなぐり捨てて、更に悪質な「放射線は量が問題」という内容に改悪されています。
報告者:渡辺初雄(福島から長岡市への自主避難者、長岡市民防災研究所所長)
タイトル:福島原発事故避難者の支援策の検討
報告概要:
本報告では、原発事故避難者の生存権保障体制の在り方と構築の方法を検討したい。これは、社会的避難の制度の構想と検討を背景としている。社会的避難の制度は、現実の被災者・避難者の窮状を明らかにすること、避難者を救う方法の検討、実効的な原子力防災避難計画を策定し原発稼働の前提条件とすること、チェルノブイリ法制度の原則の特徴を備えた避難の権利の保障・支援制度と避難者の生存権保障体制の構築、そして長期の原発事故被災地復興や避難の都市の制度を含むものである。それらを支えるには、日本のエネルギーシフトや、政府と東電に政治的・社会的責任をしっかり取らせたうえでの財源負担制度、人権や将来の妥当な制度を保障した上での廃炉プロセスが必要である。
2011年3月11日東日本大震災が発生し、地震により、原子炉のメルトダウンや「水素爆発」が生じ、福島第一原発事故と原子力災害が起きた。原発周辺の広範な地域が放射性物質で汚染され、これらの地域から多くの人々が筆者の住む長岡にも避難してきた。そうした状況の中で避難所を訪問してささやかな避難者支援をしている折、福島県からの原発事故避難者の方々の集会所「まわらんしょ」にて、福島県双葉郡川内村から23名の方々を連れて長岡市栃尾地区に避難し、現在も避難を継続している渡辺初雄氏と出会った。渡辺氏は、今回報告される予定でもあるので詳しいことはそちらを聞いて欲しいが、福島第一原子力発電所でほとんど全ての現場仕事に作業員として従事した経験のある方で、非常に気さくで周りの方から「初雄さん」と呼ばれ、報告者もそう呼ばせてもらっている。初雄さんは、3月11日に福島テレビが放映した福島原発1号機の爆発映像を見て、すぐさまそれからの放射性物質汚染・被ばくの危険があるという事態の推移を悟った。初雄さんはその夜23名の知り合いの方を指導して、自動車やトラックで川内村を脱出し、国道49号線を経て、長岡市の栃尾地区に避難した。現在の原子力防災避難計画のモデルともなる避難行であった。
報告者は、原発事故当時長岡市民が被曝を避けることができる方法を模索して、長岡市民放射線測定会を結成して周辺の放射線量を測定していたが、渡辺氏に出会い避難された方が人生を回復する方法は何かを考えさせられて、避難者の方へのささやかな支援を行いつつ、長岡市民放射線測定会の勉強会で渡辺氏の避難行の話を勉強してきた。また、この数年も原発事故に関する勉強会を継続し、そこでの渡辺初雄氏の避難の経験や、福島の現状についての講演と市民の方との質疑を通じて、今後の原子力防災避難計画についても多くの教訓を得てきた。その成果を、渡辺初雄著『語り継ぐ福島』と題してキンドルで出版したり、長岡市民放射線測定会と渡辺氏の主催する市民防災研究所との共同機関誌『市民と防災』を発行して掲載するなど、いろいろな形で公表してきた。さらに、視野を広げて一般的に、原子力システムのリスクの存在に対応する、社会的避難の制度の構想と設置が必要と考えるに至り、経済理論学会などで報告し、『社会理論研究』第19号に「震災・原発災害下の社会の課題―福島原発事故避難の教訓とチェルノブイリ法の避難の権利に学ぶ総合的な社会的避難制
度―」を掲載した。
大方の会員もそうであると考えるが、筆者も脱原発を志向・思考し、原発後の社会への道を研究している。先の「震災・原発災害下の社会の課題―福島原発事故避難の教訓とチェルノブイリ法の避難の権利に学ぶ総合的な社会的避難制度―」では、東日本大震災から8年半を過ぎても継続する、震災による原発災害下の社会では、多くの問題や課題が我々に投げかけられていることを提起した。
こうした震災後の原発災害下の日本社会における基礎的な問題意識・検討課題はこうである。
A.原発事故被害者・避難者の人権を保障して根本的に救う方法は何か?
B.有効な原子力防災・避難計画はどのようなもので、その実現とあるべき社会
的な原子力システム対応制度とはどういうものか?
C.稼働していなくても膨大な社会的コストを必要とし、事故炉と通常廃炉の解
体・処理のために膨大な費用と技術や技術者など人材が必要で、事故対応費用
を国民に転嫁し、老朽化と地層や断層により、また、地震被害のダメージにより、
過酷事故のリスクが高まる原発の再稼働の動きを、止める方法は何か?
D.原子力システムを廃棄し、自立分散の再生エネルギーシステムへの民主的シフトによる持続可能なオルタナティブな社会に移行するにはどうしたらよいか?
先の論考「震災・原発災害下の社会の課題」で、Bの「有効な原子力防災・避難計画はどのようなもので、その実現とあるべき社会的な原子力システム対応制度とはどういうものか?」について様々な論点を提起して論じた。しかし、多数提示した論点には論じ足りない部分がかなりあった。
本報告では、Aの「原発事故被害者・避難者の人権を保障して根本的に救う方法は何か?」の原発事故避難者救済策に絞って、論点の再検討を含めて、以下の点を論じたい。
・原発事故責任と対応責任
・避難者救済策の方法
避難の権利・被曝者手帳・二重の住民表・避難の都市など
また、C「稼働していなくても膨大な社会的コストを必要とし、事故炉と通常廃炉の解体・処理のために膨大な費用と技術や技術者など人材が必要で、事故対応費用を国民に転嫁し、老朽化と地層や断層により、また、地震被害のダメージにより、過酷事故のリスクが高まる原発の再稼働の動きを、止める方法は何か?」
については別稿で論じたい。
D「原子力システムを廃棄し、自立分散の再生エネルギーシステムへの民主的シフトによる持続可能なオルタナティブな社会に移行するにはどうしたらよいか?」の原子力依存社会から再生エネルギー社会へのシフトについては、『市民と防災』第2号に、ドイツのエネルギーベルデの実施状況を検討し日本のエネルギーシフト
の必要性を論じた「自然・再生エネルギー導入政策と脱原発政策:ドイツと日本」を掲載した。
エネルギーの民主化と脱原発社会への道の関係については、とりあえずこう言えることは確認したい。まず、市民による自律分散ネットワーク型の再生可能エネルギーシステムの形成というエネルギーの民主化プロセスが先導することにより、原子力依存社会から脱原発・持続可能な福祉社会への移行が可能であること。市民が話し合って、自律的な再生可能エネルギーの生産と消費(再生可能エネルギーの地産地消)の構築を決めて、自ら工夫し自律的にネットワーク化することから、新たな社会を展望できる。自律分散ネットワーク的な再生可能エネルギーの地産地消は、一面ではエネルギーの民主化・エネルギー民主主義の構築であり、市民が自己防衛をし持続可能な脱原発社会を構築する力を持つものである。また、アジアからの脱原発ー民主化と言う国際的な視点と交差することから、国際連帯による脱原発社会化・民主化への議論を深めてゆきたい。
これらの論考で示した観点は、脱原発社会への道を切り開くもので、エネルギーの民主化と脱原発社会への道の関係を定めて、それらの観点をさらに深めて行かなければならないと考えている。
報告者:佐藤公俊(長岡工業高等専門学校 名誉教授)
会場費:なし
理事の方は理事会のために13:30に会場に集合してください。
(参加者は事前に昼食を済ませておいてください。)