2019年度総会および第122回月例研究会

 

日時:2019720日(土)13301700

会場:渋谷区笹塚区民会館4階和室  

会場費:無料

 

プログラム

総会 

13301350 総会(会員のみ対象)
13
501400 休憩
理事の方は会場設営のために13:00に会場に集合してください。 

 

第122回月例研究会

月例研究会はどなたでもご参加いただけます。

タイムスケジュール
14:00〜16:40 高橋一行(明治大学)報告
 報告と休憩の後、質疑応答
16:40〜17:00 会場片付け
17:00〜    懇親会
 懇親会の会場は当日ご案内いたします。懇親会費は、
 参加者にて均等割りとさせていただきます。ご了承ください。
 

報告者:高橋一行(明治大学)

タイトル:ルーマン理論の意義

  7月20日の例会について 高橋一行
      「ルーマンの身体論」というテーマで話をする予定だったが、身体論
      を含めて、もっと一般的に、ルーマン理論の評価すべき点を確認した
      い。大澤真幸、H-G. メラー、北田暁大の三人のルーマン理解を比較
      しつつ、ルーマン理論の特徴を浮かび上がらせたい。
       大澤は、2018年の短い論文で、ルーマン没後20年が経ち、しかし
      この間に社会学の発展がまったく見られないと言う。その間に新実在
      論者として知られるメイヤスーは、カントとヴィトゲンシュタインを
      念頭において、彼らの理論を相関主義と呼び、それを内在的に超えよ
      うとした。しかしまず、メイヤスーの理論展開は十分成功していない
      こと、そしてルーマンのラディカル構成主義こそ、メイヤスーの言う
      相関主義の最も徹底したものであって、さらにルーマンのラディカル
      構成主義は偶有性理論に基づくが、それこそ、相関主義を内在的に超
      える視点を提出しているはずだ。と言うのも偶有性こそが絶対的な実
      在だからであって、つまりルーマン理論こそ、ルーマン理論を超え出
      るための論点を含んでいると指摘する。
       このことに私は全面的に賛成する。というより、実は私はこのこと
      を指摘する論文を用意していたので、先に大澤にやられてしまったと
      いうところなのである。
       またメラーは、このラディカル構成主義について、これは、現実と
      はある構成が構成するものであると考える理論のことであるが、これ
      はあまりにラディカルであって、それは実在論になってしまうとジジ
      ェク張りの主張をする。その意味で、ルーマン理論はヘーゲル哲学を
      ヘーゲル的に止揚したものではないかと言う。このことにも私は同意
      する。
       また北田は、ルーマンをデリダの正義論になぞらえたりするような
      自分の使いたいようにルーマン理論を使う態度に疑問を投げ掛け、決
      してポストモダニストではなく、理性啓蒙の担い手としてのモダニス
      ト・ルーマンを唱え、社会が社会を制作するというラディカル構成主
      義の可能性を論じる。如何様にも誤読、拡大解釈のできるルーマン理
      論だが、それに対して正しいルーマン解釈を突き付けるのではなく、
      使える部分だけではなく、使いにくいところも含めてルーマンを解釈
      することで、ルーマン理論の幅を示し、それが切り開く道を確認した
      いと言うのである。その点で私は北田に同意する。
 

【会場案内】

渋谷区笹塚区民会館4階和室
175-0083 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9

案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/chiiki/kumin_kaikan/km_sasazuka.html

 

・区民会館は催し物に関する質問にはお答えできませんので、
会場への電話問い合わせはご遠慮ください。
・会場は駐車場がありませんので、自動車での来場はご遠慮ください。
・お問い合わせは、下記にお願いします。

社会理論学会事務局

222-0011

横浜市港北区菊名5−1−43菊名KSマンション301号室 千書房気付

FAXのみ045−430−4533

E-mail:edi@sensyobo.co.jp

 

 

2018年度総会および第119回月例研究会

 

日時:2018721日(土)13301700

会場:渋谷区笹塚区民会館4階和室  

会場費:無料

 

プログラム

総会 

13301400 総会(会員のみ対象)
理事の方は会場設営のために13:00に会場に集合してください。 

 

第119回月例研究会

月例研究会はどなたでもご参加いただけます。

タイムスケジュール
14:00〜16:40 山本大(トロツキー研究所)報告
 報告と休憩の後、質疑応答
16:40〜17:00 会場片付け
17:00〜    懇親会
 懇親会の会場は当日ご案内いたします。懇親会費は、
 参加者にて均等割りとさせていただきます。ご了承ください。
 

報告者:山本大(トロツキー研究所)

タイトル:「中西五洲について(仮)」

  報告概要:中西五洲…1922〜2013。労働運動家。
      戦後、日雇い労働者の組織化を進め、
      1953年に全日本自由労働組合(全日自労)を結成し、
      58年に委員長に就任。
 

【会場案内】

渋谷区笹塚区民会館4階和室
175-0083 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9

案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sasazuka.html

 

お問い合わせは、下記にお願いします。

社会理論学会事務局

222-0011

横浜市港北区菊名5−1−43菊名KSマンション301号室 千書房気付

FAXのみ045−430−4533

E-mail:edi@sensyobo.co.jp

 

 

2017年度総会および第117回月例研究会

 

日時:2017722日(土)13201700

会場:渋谷区笹塚区民会館4階和室  

会場費:無料

 

プログラム

総会 

13201350 総会(会員のみ対象) 

13501400 休憩

 

第117回月例研究会

月例研究会はどなたでもご参加いただけます。

タイムスケジュール
14:00〜15:50 高橋一行氏(明治大学)報告
        「カントの魂論」
15:50〜16:00 休憩
16:00〜16:40 質疑応答
16:40〜17:00 会場片付け
17:00〜    懇親会
 懇親会の会場は当日ご案内いたします。懇親会費は、
 参加者にて均等割りとさせていただきます。ご了承ください。
 

報告者:高橋一行(明治大学)

タイトル:カントの魂論

  報告概要:2017年4月から9月までの予定で、ケンブリッジ大学に出掛けてい
      る。7月22日に一時帰国し、その研究成果の中間発表を行いたい。
       カントの魂論を扱う。魂論としてまず「魂の器官」(1796)を読解す
      る。この論文から菊地健三は、2015年の著作において、魂の原理とし
      て動力学という概念を抽出し、かつそれが、カントの主要著作のすべ
      てを支配する原理であるとしている。それを受けて私は、その淵源を
      辿ると、ライプニッツのコナトゥスに行き、さらにホッブズに行き着
      いた。ホッブズとカントと直接の繋がりはないが、機械論を徹底し
      て、その先に目的論を宿すという点で両者の手法は似ている。これを
      第I部で論じる。
       具体的には、
      1.古代、中世からあったコナトゥス概念を、デカルト、ホッブズ、ス
       ピノザが展開したこと。
      2.ホッブズの、その自然哲学だけでなく社会契約論においても、コナ
       トゥス概念は根本であること。
      3.ホッブズのコナトゥスを若きライプニッツが受容し、のちに動力学
       概念へと展開したこと。
      4.前批判期のカントに、この動力学概念が大きな影響を与えているこ
       と。
      5.前批判期のみならず、カントの生涯にわたって、その主要著作に、
       この動力学概念が根本としてあること、以上である。
       上記1-4のそれぞれについては、多くの先行研究が存在するが、
      1-4を通して論じるものは見当たらない。また5については、私の知
      る限り、菊池健三のみが主張している。本発表Iは、その菊池の主張
      が正しいことを確認するためのものである。
       第II部では、まず「脳病試論」(1764)を取り挙げる。1750年代に
      カントがヒュームによって、独断のまどろみを覚醒させられたことは
      良く知られているが、実は、そののちの1760年代に、ルソーによっ
      て、もっと本格的にカントはその思想を脅かされている。そのことが
      この短い論文によく表れている。しかしこの論文は体系的に書かれた
      ものではないし、のちの『人間学』で同じテーマが扱われるが、議論
      は矛盾、または錯綜している。菊池健三の2005年の著書には、カント
      には、哲学者の視線と観察者の視点があるという指摘がある。
       後者は、『美と崇高』や『人間学』、「自然地理学」に見られる。
      「脳病試論」をここに入れても良い。
       前者は第一、第二批判とそれに対応する形而上学の著作に現れてい
      る。さてこのふたつの視点が、第三批判の美感論と目的論で調停され
      る。菊池の著作は坂部恵の示唆の下で書かれ、その問題意識を具体的
      に記述したものだ。坂部は、観察の視点で行われた「人間学講義」が
      第三批判の前半、美感論に繋がり、「自然地理学」が後半の目的論の
      議論に繋がると指摘している。
       菊池はそれを受けて、性差の問題を取り挙げる。若きカントが、美
      は女性の、崇高は男性の特性であるとしたものが、後期の著作におい
      て、女性の特質が、夫婦の特質つまり、夫婦ふたりでひとりの人格を
      持つことが主張され、さらに第三批判では、市民社会において、その
      根本ルールを道徳に求め、その単位を夫婦に求めて、人類の行く末を
      見つめているとしている。私はこの指摘をヒントに、「脳病試論」と
      『人間学』の心の病が、これも観察者の視点で書かれたものだが、
      最終的には、これも第三批判の目的論の水準で議論すべきであるとい
      うことを確認したい。それが第II部の仕事である。
       すると、まずヒュームによって脅かされることによって、ライプニ
      ッツ流の形而上学から脱却したのではなく、却ってそれを深く自らの
      思想の究極的な支えとしたということと、ルソーからは、理性をはみ
      出すものに対しての視点を獲得し、そこからカントは人間の理性の限
      界の学という形而上学を確立しようとしたのだという坂部の結論、及
      び第三批判からさらに『オプス・ポストムム』において、動力学の概
      念がますます強く展開されているという、菊池の説とを確証すること
      ができる。
       補足的に、カントに主体の逸脱を見ようとするフーコーの「人間学
      論」についてコメントする。またもうひとつ、最近の英米では、第一
      批判の、魂は実体であるというカントの誤謬推理の指摘に基づいて、
      ではどのようにmind-bodyを考えるのかということで、embodiment
      という概念が提出されている。このことについても言及したい。
 

【会場案内】

渋谷区笹塚区民会館4階和室
175-0083 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9

案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sasazuka.html

 

お問い合わせは、下記にお願いします。

社会理論学会事務局

222-0011

横浜市港北区菊名5−1−43菊名KSマンション301号室 千書房気付

FAXのみ045−430−4533

E-mail:edi@sensyobo.co.jp

 

 

第23回総会・研究大会(自由論題の部)

 

日時:2015620日(土)13301700

会場:渋谷区笹塚区民会館3階会議室2号

会場費:無料

 

プログラム

第1部:総会 

13301400 総会(会員のみ対象) 

14001410 休憩

 

第2部:研究大会

自由論題のみ(どなたでもご参加いただけます。)

タイムスケジュール
14:10〜14:50 相川翼氏(早稲田大学大学院)報告
        「自閉症と資本主義についての一試論―構想力に着目して」
14:50〜15:20 質疑応答
15:20〜15:30 休憩
15:30〜16:10 湯川順夫氏(翻訳家)報告
        「シャルリー・エブド紙襲撃事件をめぐって」
16:10〜16:40 質疑応答
16:40〜17:00 会場片付け
17:00〜    懇親会
 懇親会の会場は当日ご案内いたします。懇親会費は、
 参加者にて均等割りとさせていただきます。ご了承ください。
 

報告者:相川翼(早稲田大学大学院 社会科学研究科)

タイトル:自閉症と資本主義についての一試論―構想力に着目して

  報告要旨:本報告は、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder、
      以下「自閉症」と略記)についての哲学的考察と、それを資本主義の
      分析に応用する方途について取り上げる。
       自閉症は、「人間関係や意思疎通の困難」と「反復的常同的な言動」
      とがセットで見られることから定義される精神障害である。今日では、
      精神医学や心理学などで自閉症についての研究が盛んになされている
      ものの、その全容の解明には至っておらず、また哲学においては、
      自閉症を対象とした研究はほとんどないのが現状である。
       本報告では、自閉症者の「症状」を「障害の現われ」として否定的
      に捉えるのではなく、哲学的な問題意識と知見をもって、私たち自身
      を捉え直す契機と考える。その際にキー概念として用いるのは、イメ
      ージを形成する力である「構想力」(Einbildungskraft)である。構
      想力は、カントによって見出された人間主体の能力だが、これは、人
      間に実際に見える「像」(Bild)を構成する際に決定的に重要な役割
      を果たしており、構想力がどのように働くかによって、人間にとって
      の現実が大きく規定される。
       そこで本報告では、第一に、自閉症者における構想力の特異な働き
      に着目し、それを自閉症ではない定型発達者の場合と比較しながら、
      自閉症者が「自閉」的であるとは如何なる意味においてか、自閉症者
      の反復的常同的な言動やこだわりの強さは何を意味するか、というこ
      とを考察する。このプロセスを通じて、定型発達者にとっては自明な
      ものとして必ずしも意識されてない構想力の働きの実相に迫る。
       第二に、以上の哲学的基礎論を踏まえ、人間の構想力が資本主義社
      会においてどのように働いているかを考察する。マルクスの『資本論』
      での議論によれば、「労働の社会的性格」(der gesellschaftliche
      Charakter der Arbeit)が反映された労働生産物が商品であるが、
      逆に言えば、人間が労働生産物に「労働の社会的性格」を読み取って
      こそ、商品は商品足りうる。このとき、人間の構想力はどのように働
      いているか。また、資本主義社会における人間は、自分自身を労働力
      商品として理解し、生産過程に自らを投入する。この「資本と労働の
      交換」を、それを可能にしている人間の構想力の働きから考察すると、
      資本主義社会における人間の「自縄自縛」の構造が見えてくる。
       こうした議論を通じて、本報告では、自閉症を媒介とした資本主義
      論の可能性を提示したい。
 

報告者:湯川順夫(翻訳家)

タイトル:エブド紙襲撃事件をめぐって

  報告要旨:フランスの風刺週刊紙襲撃事件をめぐって、風刺画そのものの内容、
      襲撃と殺害に抗議するフランスにおける巨大なデモの評価をめぐって、
      日本でもその評価は分かれている。一方では、フランス、ヨーロッパに
      おけるイスラム系移民の問題という背景を捨象して言論の自由一般を強
      調する立場があり、それと対極にあるのは、その風刺画週刊紙の全体の
      論調、フランス国内の大衆的デモそのものが「反イスラム」であり、
      「ヘイトスピーチ」であるとする評価である。でも問題はそれほど簡単
      に線引きでできるような問題なのだかろうか?
       これらの風刺画家たちはどのような人々なのかという点を出発点に、
      今日のヨーロッパとフランスにおいてイスラム系移民がおかれている状
      況、この状況の中で多文化主義の問題をど考えるべきか、さらには、啓
      蒙主義の宗教批判を含めて宗教批判はどうあるべきなのかなど、いくつ
      かの問題について考えてみたい。  

【会場案内】

渋谷区笹塚区民会館3階会議室2号
175-0083 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚 3-1-9

案内図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sasazuka.html

 

お問い合わせは、下記にお願いします。

社会理論学会事務局

222-0011

横浜市港北区菊名5−1−43菊名KSマンション301号室 千書房気付

FAXのみ045−430−4533

E-mail:edi@sensyobo.co.jp